黒豆

「丹波黒大豆」は、京都府の京丹波町や南丹市などの丹波地域を主な産地とする高品質な黒豆です。特に黒大豆の栽培の歴史は古く、10世紀、平安時代の書物には「烏豆(クロマメ)」として存在が記され、16世紀には宮中への献上物に「黒豆」の名があります。土地が肥沃で、昼夜の温度差が大きい気候で栽培されているため、大粒でしわもなく、艶やかに黒光りする黒大豆は味も濃厚です。おせちにも出される「黒豆煮」には、「黒く日焼けするほどマメに働けるように」と健康長寿の願いが込められています。

万願寺とうがらし

「万願寺とうがらし」は、京都府の中丹地域を代表する特産品で、鮮やかな緑色の実は大ぶりで肉厚です。その大きさから"とうがらしの王様"と呼ばれることもあります。「万願寺とうがらし」の名前の由来は、発祥の地である舞鶴市の古刹「満願寺」のある万願寺とされています。大正末期に農家が自家用野菜として栽培していたが、おいしさが評判となり、1990年代後半から市場に出回るようになり、舞鶴市のほか、綾部市と福知山市の一部地域で栽培されたものを「万願寺甘とう」の商標で出荷しています。とうがらしの風味と甘辛い味がほんのりと口の中に広がり、さらに万願寺甘とうの肉厚で柔らかい果肉の食感が美味しい夏の京野菜です。

聖護院かぶ

「聖護院かぶ」は、京の伝統野菜の一つに数えられています。享保年間に滋賀県大津市で栽培されていた近江かぶの種子を左京区聖護院の農家の人が持ち帰って、栽培を始めたのが発祥とされています。一般的なかぶと異なる偏円形の実が特徴的で、これは改良によってなったといわれている。大きなもので4kgから5kgほどになる国内最大のかぶで、柔らかく上品な味わいで知られています。現在、聖護院かぶの名産地になっている亀岡市篠地区は、朝晩の寒暖差や、盆地特有の霧、気候風土などがかぶの生育環境に適しており生産が盛んになったという。京都で生産されている「千枚漬け」のほとんどが、この地域で取れたかぶを使用しています。

海老芋

海老芋は、表土の深く排水が良好で、湿気をもつ土壌が適することから、この条件にあった京都市の山城地域を中心に栽培されています。「海老芋」は、さといもの一種で、品種ではなく栽培方法の違いにより作り出されます。海老のように曲がる形状からその名が付いたとされています。 肉質が緻密で煮込んでも形が崩れず、独特の粘り気が特徴の海老芋は、数ある京の伝統野菜の中でも最高のうま味を持つものの一つとされています。